「領収書を1枚ずつ手入力するのが面倒」「レシートを撮影するだけで帳簿がつけられる会計ソフトはないの?」
結論からいうと、領収書を自動で読み取れる会計ソフトはあります。 いまの主要なクラウド会計ソフトの多くは、スマホで撮影したりスキャンしたりした領収書から、日付・金額・支払先などを読み取る機能を備えています。
ただし、ソフトによって次のような違いがあります。
- 読み取った後、仕訳まで自動で提案してくれるか
- 1か月に読み取れる枚数の上限や、上限を超えたときの追加料金
- 従業員の経費精算にも使えるか、そのための追加費用がかかるか
- 無料で試せる期間と範囲
この記事では、法人向けの会計ソフトとして次の4つを取り上げ、領収書の読み取り機能を中心に比較します。
- KOZOTAI(コウゾウタイ)
- freee会計
- マネーフォワード クラウド会計
- 弥生会計 Next
※本記事は、会計ソフト「KOZOTAI」を提供する当社が執筆しています。自社サービスも含め、各社の公式サイト・ヘルプページの情報をもとにできるだけ公平に比較しています。 ※掲載情報は2026年9月時点のものです。料金・機能・読み取り枚数の上限は変更される可能性があるため、導入前に必ず各社公式サイトで最新情報をご確認ください。キャンペーンによる割引は考慮していません。
「領収書の自動読み取り」でできること・できないこと
会計ソフトの「領収書読み取り」は、おおまかに次の3つのステップに分かれます。
ステップ1:文字を読み取る(OCR) 画像やPDFから、日付・金額・支払先・登録番号などの文字情報を読み取ります。
ステップ2:仕訳を提案する 読み取った内容をもとに、「消耗品費」「旅費交通費」といった勘定科目や税区分を推測し、仕訳の候補をつくります。
ステップ3:確認して登録する 提案された内容を人が確認し、必要に応じて修正してから帳簿に登録します。
ここで押さえておきたいのは、どのソフトでも「完全に放置で帳簿が完成する」わけではないという点です。手書きの領収書やしわの多いレシートは読み取りを誤ることがありますし、同じ支払先でも取引内容によって勘定科目が変わることもあります。「入力の手間を大きく減らし、確認に集中できるようにする機能」と考えるのが現実的です。
領収書を読み取れる会計ソフトを選ぶ5つのポイント
1. 取り込み方法が自社の運用に合っているか
スマホアプリで撮影できるか、PDFをまとめてアップロードできるか、メールで届いた請求書をそのまま取り込めるかなど、「資料が手元に届く経路」に合った取り込み方法があるかを確認しましょう。
2. 読み取り枚数の上限と追加料金
プランによっては、1か月に読み取れる枚数に上限があったり、一定枚数を超えると1枚ごとに料金がかかったりします。毎月の領収書・請求書の枚数をざっくり把握したうえで比較するのがおすすめです。
3. 読み取り後に仕訳まで提案してくれるか
読み取った数字を入力欄に反映するだけか、勘定科目まで提案してくれるかで、手間は大きく変わります。過去の仕訳を学習して精度が上がる仕組みがあるかもポイントです。
4. 従業員の経費精算にも使えるか
社長だけでなく従業員も立替経費を精算する会社では、経費精算機能の有無と、利用人数に応じた追加料金を確認しておきましょう。
5. 他の自動化機能とのバランス
領収書の読み取りだけでなく、銀行口座・クレジットカードの明細取り込み、請求書発行、決算書作成など、会計ソフト全体で「どこまで自動化したいか」も合わせて考えることが大切です。
領収書読み取り機能の比較表
項目 | KOZOTAI | freee会計 | マネーフォワード クラウド会計 | 弥生会計 Next |
|---|---|---|---|---|
領収書の読み取り | ◯ 請求書・領収書などをAIが読み取り | ◯ ファイルボックスでOCR解析 | ◯ 「AI-OCRから入力」機能 | ◯ 弥生証憑 Nextにアップロードして記帳 |
読み取り後の仕訳 | AIが仕訳案を作成し、人が確認・承認 | 読み取り内容をもとに取引登録 | 仕訳候補を自動作成し、確認して登録 | 取り込んだ証憑から[登録]で記帳 |
読み取り枚数の目安 | 枚数上限無し | 有料プランではファイルボックス月10GBまで(お試しプランは月5枚) | ひとり法人:月30件/スモールビジネス:月60件/ビジネス:101件目以降1件20円(税抜) | 公式サイトで要確認 |
メールでの請求書受け取り | ◯ 専用メールアドレスで取り込み | ― | ― | ― |
経費精算(従業員の立替) | ◯ 追加費用なし | スターター以上(1人あたり月300円〜の従量課金) | プランの人数枠内で利用可 | ベーシックプラン以上 |
スマホでの利用 | iOS・Androidアプリ | モバイルアプリあり | ― | 会計 Next本体はスマホ非対応(証憑はスマホからアップロード可) |
銀行・カード明細の自動取得 | 非対応 | ◯ | ◯ | ◯ |
無料で使える範囲 | 初年度無料。2年目以降も年間1,000仕訳以内なら無料 | お試しプラン30日間 | ビジネスプラン相当を1か月無料 | 最大2か月の無料体験(決算書の作成・出力は不可) |
最も安いプランの料金 | 無料条件超過時は月額4,840円+AIアクセスユーザー月額2,200円/名 | ひとり法人:月2,980円(年払い・税抜) | ひとり法人:月2,480円(年払い・税抜) | エントリー:月2,900円(年契約・税抜) |
※「―」は、今回確認した公式情報の範囲では記載を確認できなかった項目です。
KOZOTAI|領収書も請求書も「渡すだけ」でAIが仕訳案まで作成
KOZOTAIは、新設法人・小規模な会社向けのAI会計ソフトです。「資料を渡して、AIがつくった仕訳案を確認する」ことを記帳の基本の流れにしているのが大きな特徴です。
領収書まわりでできること
- アップロードするだけで仕訳案を作成:請求書・領収書・契約書などをアップロードすると、AIが内容を読み取り、帳簿に記録する仕訳を提案します。利用者は内容を確認して承認するだけです。
- まとめて投げてもOK:証憑や明細をまとめてアップロードすれば、AIがそれぞれの仕訳のドラフトを作成します。
- 会社ごとのルールを学習:自社の勘定科目体系や過去の仕訳パターンを学習するため、使うほど提案の精度が上がっていきます。
- 重複・異常のチェック:同じ領収書を二重に取り込んでしまった場合の重複仕訳や、現金がマイナスになるような異常な仕訳を自動で検出します。
- メールで届く請求書もそのまま取り込み:専用メールアドレスを請求書の送付先に設定すれば、資料の回収から仕訳案の作成まで進められます。
- 従業員の経費精算にも対応(追加費用なし):2026年7月に経費精算機能が追加されました。従業員はスマホアプリやWebからレシートを送るだけで申請でき、立替者・支払先・金額をAIが読み取ります。経費区分や勘定科目もAIが判定して仕訳を作成し、承認者は確認して承認するだけです。
料金
- 初年度はすべての機能が無料
- 2年目以降も、年間1,000仕訳以内なら無料
- 無料条件を超える場合は、基本料金月額4,840円+AIアクセスユーザー1名あたり月額2,200円
- 閲覧や仕訳の直接操作ができる一般ユーザー(税理士など)は人数無制限で無料
- 登録時のクレジットカード登録は不要
料金は読み取った枚数ではなく仕訳数を基準にしているため、「今月は領収書が多かったから追加料金がかかる」という心配をせずに使えます。
注意点
- 銀行口座やクレジットカード明細の自動取り込みには対応していません。 取引の資料を渡して記帳を進める仕組みです。カード明細の自動連携を重視する場合は、他社ソフトも含めて検討してください。
- 税務申告・届出には対応していません。 決算書の作成までは対応していますが、申告は税理士への依頼や申告ソフトの利用が別途必要です。
こんな会社におすすめ
- 経理や簿記の知識に自信がなく、仕訳を考える手間を減らしたい
- 領収書や請求書といった「紙・PDFの資料」が経理の中心になっている
- 従業員の経費精算も、追加費用をかけずに会計ソフトの中で済ませたい
- 設立間もなく取引が少ないため、無料の範囲で始めたい
freee会計|ファイルボックスで証憑を一元管理。銀行連携も含めて自動化したい会社に
freee会計では、スマホアプリやスキャナで取り込んだレシート・請求書を「ファイルボックス」に保存し、OCRで解析した内容から取引を登録できます。
領収書まわりでできること
- 全プランでOCR解析に対応:法人向けの全プランで、ファイルボックスにアップロードしたレシートなどの画像読み取りが利用できます。
- 証憑の電子保存:ファイルボックスは電子帳簿保存法の電子保存要件に対応しています。
- 経費精算:スタータープラン以上で経費精算機能を利用でき、交通系ICカードの読み取りにも対応しています。
- 従業員は無料で招待可能:ファイルボックスへのアップロードや経費精算の申請だけを行う従業員は、人数無制限で無料メンバーとして招待できます。
料金(法人向け・年払い時・税抜)
- ひとり法人:月2,980円(経費精算機能はなし)
- スターター:月5,480円+従量課金
- スタンダード:月8,980円+従量課金
- 経費精算を利用したユーザーには、スターター・スタンダードで1人あたり月300円の従量課金
注意点
- お試しプラン(30日間無料)では、ファイルボックスへの取り込みは月5枚までです。
- 経費精算は、申請・承認を行った人数に応じて従量課金がかかります。
こんな会社におすすめ
- 領収書だけでなく、銀行口座・カード明細の自動取り込みも含めて経理を自動化したい
- 請求書発行や経費精算など、バックオフィス全体を1つのサービスでまとめたい
マネーフォワード クラウド会計|AI-OCRで仕訳候補を作成。枚数に応じてプランを選ぶ
マネーフォワード クラウド会計の「AI-OCRから入力」機能では、証憑ファイルをアップロードすると読み取った情報から仕訳候補が自動で作成されます。内容を確認して登録すると、仕訳の登録と証憑の添付がまとめて完了します。
領収書まわりでできること
- 複数ファイルの一括アップロード:証憑を複数選択してアップロードし、仕訳候補を一覧で確認・登録できます。
- 自動仕訳ルール:同じ取引先の証憑を次回以降アップロードするときに役立つルールを設定できます。
- マネーフォワード クラウドBoxとの連携:クラウドBoxにアップロードした証憑も、仕訳候補として表示できます。
AI-OCRの利用上限
AI-OCRで仕訳に添付できるファイル数は、プランによって次のように異なります。
- ひとり法人プラン:1か月あたり30件まで
- スモールビジネスプラン:1か月あたり60件まで
- ビジネスプラン:無制限。ただし101件目以降は1件につき20円(税抜)
料金(法人向け・年払い時・税抜)
- ひとり法人:月2,480円(年間の仕訳数は500件まで)
- スモールビジネス:月4,480円
- ビジネス:月6,480円
注意点
- 毎月の領収書が30件・60件を超える場合は、上位プランや従量課金が必要になります。
- ひとり法人プランは、利用者1名・年間仕訳数500件までという制限があります。
こんな会社におすすめ
- 毎月の領収書枚数がある程度読めていて、枚数に合ったプランを選びたい
- 銀行・カード連携や給与計算など、マネーフォワード クラウドの他サービスとまとめて使いたい
弥生会計 Next|弥生証憑 Nextで証憑を管理。会計・請求・経費をまとめて
弥生会計 Nextは、弥生が提供する法人向けのクラウド会計ソフトです。一体で使える「弥生証憑 Next」にスマートフォンからアクセスし、撮影したレシートをアップロードすると、パソコンから[登録]ボタンを押すだけで記帳できます。
領収書まわりでできること
- 弥生証憑 Nextで証憑を保存・管理:受領・発行した取引書類をクラウド上で保存・管理でき、電子帳簿保存法にも対応しています。
- 経費精算:ベーシックプラン以上で「弥生経費 Next」を利用でき、経費申請・承認ができるスマホアプリが提供されています。
- AI取引入力:取引内容を文章で入力すると、AIが仕訳を作成する機能もあります(1か月300回まで)。
料金(年契約・税抜)
- エントリー:月あたり2,900円(年34,800円)
- ベーシック:月あたり4,200円(年50,400円)
- ベーシックプラス:月あたり7,000円(年84,000円)
注意点
- 弥生会計 Next本体は、スマートフォンやタブレットでは利用できません(証憑のアップロードはスマホから可能)。
- 経費精算機能はベーシックプラン以上です。
- 無料体験は最大2か月で、期間中は決算書の作成・出力ができません。
こんな会社におすすめ
- 顧問税理士が弥生製品を使っていて、データを共有しやすくしたい
- 電話サポートや仕訳相談など、手厚いサポートを重視したい
目的別|領収書の読み取りを重視するならどれを選ぶ?
経理初心者で、領収書を渡すだけで仕訳まで任せたい → KOZOTAI AIが仕訳案まで作成し、人は確認・承認に集中できます。料金は読み取り枚数ではなく仕訳数で決まり、初年度は無料です。
従業員の経費精算も、追加費用をかけずにまとめたい → KOZOTAI 経費精算機能を追加料金なしで利用できます。
領収書に加えて、銀行・カード明細も自動で取り込みたい → freee会計/マネーフォワード クラウド会計/弥生会計 Next いずれも金融機関との連携に対応しており、領収書以外の取引もまとめて自動化できます。
毎月の領収書枚数が多く、枚数ベースでコストを見積もりたい → マネーフォワード クラウド会計 プランごとにAI-OCRの利用上限が明示されているため、枚数に合わせたプラン選びがしやすくなっています。
電話サポートや仕訳相談を受けながら使いたい → 弥生会計 Next(ベーシックプラス)
まとめ|「読み取った後」の手間とコストで選ぼう
領収書を自動で読み取れる会計ソフトは、今では珍しいものではありません。選ぶときは、「読み取れるかどうか」だけでなく、次の点を比べることが大切です。
- 読み取った後、仕訳の提案までしてくれるか
- 枚数の上限や追加料金が自社の規模に合っているか
- 経費精算にも使えるか、そのための費用はどうか
- 銀行連携など、ほかの自動化をどこまで求めるか
「経理は初めて。まずは領収書や請求書を渡すだけで、帳簿づくりを始めたい」という方は、ぜひKOZOTAIをお試しください。初年度は無料、2年目以降も年間1,000仕訳以内なら無料で、クレジットカードの登録も必要ありません。
参考(各社公式サイト・ヘルプページ)
- KOZOTAI:https://kozotai.com/
- KOZOTAI 経費精算機能リリース(PR TIMES):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000173927.html
- freee会計【法人】プランについて:https://support.freee.co.jp/hc/ja/articles/27975180546713
- freee レシート類の取り込み機能(ファイルボックス):https://support.freee.co.jp/hc/ja/articles/203309560
- マネーフォワード クラウド会計「AI-OCRから入力」機能:https://biz.moneyforward.com/support/account/guide/journal02/ai-ocr00.html
- マネーフォワード クラウド会計 従量課金・オプション料金:https://biz.moneyforward.com/support/account/faq/price/p10.html
- 弥生会計 Next:https://www.yayoi-kk.co.jp/kaikei/kaikei-next/