会社を設立したばかりの時期は、できるだけ固定費を抑えたいもの。会計ソフトも「まずは無料で使えるものを」と考える方は多いのではないでしょうか。
ただ、ひとくちに「無料の会計ソフト」といっても、無料で使える期間や条件、動作環境、決算書までつくれるかどうかはソフトによって大きく異なります。料金だけで選ぶと、「2年目から急に使えなくなった」「Macでは動かなかった」「決算の時期に結局手作業が増えた」といったことになりかねません。
この記事では、法人でも無料で使い始められる会計ソフトとして、以下の3つを比較します。
- KOZOTAI(コウゾウタイ)
- フリーウェイ経理Lite
- 円簿会計
※本記事は、会計ソフト「KOZOTAI」を提供する当社が執筆しています。自社サービスも含めて、各社公式サイトの情報をもとにできるだけ公平に比較しています。 ※掲載している情報は2026年9月時点で各社公式サイトに掲載されている内容です。料金や機能は変更される可能性があるため、導入前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
無料の会計ソフトを選ぶ前に確認したい5つのポイント
1. 「無料」の条件と期間
無料会計ソフトには、大きく分けて次のようなタイプがあります。
- ずっと無料(機能を絞った無料版を期間無制限で提供)
- 一定期間だけ無料(無料期間が終わると有料プランへの移行が必要)
- 条件付きで無料が続く(取引量などが一定以内なら無料)
設立初年度だけでなく、2年目・3年目にいくらかかるのかまで見ておくことが大切です。
2. 動作環境(Windows / Mac / スマホ)
インストール型のソフトはOSが限定されることがあります。経営者自身がMacやスマホで経理をする場合は、対応環境を必ず確認しましょう。
3. 仕訳の入力方法
簿記の知識があり、自分で仕訳を入力できるなら、シンプルな入力画面でも十分です。一方、経理が初めてなら、領収書や請求書の読み取りなど入力をサポートする機能があると負担が大きく変わります。
4. 決算・申告にどこまで対応しているか
法人の場合、日々の記帳だけでなく、期末には決算整理や決算書の作成が必要です。さらに法人税などの税務申告もありますが、無料の会計ソフトは申告書の作成まで対応していないことが一般的です。「ソフトでどこまでできて、どこから税理士や申告ソフトが必要か」を把握しておきましょう。
5. サポートと税理士との連携
無料プランでは電話サポートなどが受けられないケースが多くあります。また、税理士に帳簿を見てもらう予定があるなら、データ共有のしやすさも重要です。
法人向け無料会計ソフト3選の比較表
項目 | KOZOTAI | フリーウェイ経理Lite(無料版) | 円簿会計(一般:無料トライアル) |
|---|---|---|---|
無料の条件 | 初年度無料。2年目以降も年間1,000仕訳以内なら無料 | 期間無制限で無料 | 新規登録から12ヵ月間無料 |
無料期間後・条件超過時 | 月額4,840円+AIアクセスユーザー1名あたり月額2,200円 | 無料版を継続可。有料版(企業版)は月額3,000円(税抜) | 閲覧とCSV書き出しのみ可。継続利用は円簿PRO(ベーシック年額9,500円・税抜〜) |
提供形態 | クラウド | インストール型(オンライン接続が必須) | クラウド |
対応環境 | ブラウザ、iOS・Androidアプリ | Windows 11/10(Mac非対応、スマホアプリなし) | Windows・Mac、タブレット、スマホ(ブラウザ) |
入力の特徴 | 請求書・領収書などをアップロードするとAIが仕訳案を作成し、人が確認・承認 | 仕訳形式・出納帳形式(キーボード入力に対応) | 複合仕訳・元帳形式・通帳形式、OCR入力(AI-OCRは10枚まで) |
銀行・カード明細の自動取得 | 非対応 | 無料版は非対応(有料版で対応) | ― |
決算書の作成 | 決算整理仕訳・決算書の作成に対応 | 決算書(勘定式)など各種帳票を出力 | 決算報告書(法人)を作成可 |
税務申告 | 非対応 | 申告機能なし(e-Tax用の財務諸表ファイル出力は可) | 無料トライアルでは消費税申告書に非対応 |
税理士との共有 | 一般ユーザー(閲覧・仕訳操作)を人数無制限・無料で招待可 | 無料版はデータがパソコン内に保存 | 無料トライアルは1社1ユーザーまで |
サポート | ヘルプページ、お問い合わせ | AIチャットサポート、FAQ、マニュアル、動画(操作サポートは有料版のみ) | メールサポート(問い合わせ・機能に関する内容) |
KOZOTAI|設立したての法人が「最初の経理」をAIと始められる
KOZOTAIは、新設法人向けにつくられたAI会計ソフトです。請求書や領収書などの資料をアップロードすると、AIが読み取って仕訳案を作成。利用者は内容を確認して承認するだけで、会社の帳簿が積み上がっていきます。
料金
- 初年度はスタンダードプランのすべての機能が無料
- 2年目以降も、年間1,000仕訳以内なら継続して無料
- 無料条件を超える場合は、基本料金月額4,840円と、AI機能を使うメンバー(AIアクセスユーザー)1名あたり月額2,200円
- 閲覧や仕訳の直接操作ができる一般ユーザーは人数無制限で無料
- 登録時のクレジットカード登録は不要
年間1,000仕訳は、月あたりに換算するとおよそ80件強。取引数が少ない設立間もない法人や小規模な会社であれば、無料の範囲で使い続けられる可能性があります。
主な特徴
- 白紙から仕訳を考えなくていい:資料をもとにAIが仕訳案を作成。「電車代500円」のような自然な言葉からの仕訳作成にも対応しています。
- AI任せにせず、人が確認する仕組み:最終承認は利用者が行い、仕訳の変更ログも残ります。重複仕訳や、現金がマイナスになるような異常な仕訳の検知機能もあります。
- メールで届く請求書もそのまま取り込める:専用メールアドレスを請求書の送付先に設定すれば、資料の回収から仕訳案の作成まで進められます。
- 決算書の作成まで対応:日々の記帳から決算整理仕訳、決算書の作成まで一つのソフトで進められます。決算時には棚卸や税額などの質問に答えながら作業します。
- 税理士と同じ帳簿を共有しやすい:税理士を一般ユーザーとして無料で招待できます。
- 帳簿をもとにAIに経営相談:「今月の交際費はいくら?」「今の支出ペースで大丈夫?」といった質問を、自分の会社の帳簿データをもとにAIに投げかけられます。
注意点
- 税務申告・届出には対応していません。 作成した決算書やデータをもとに、税理士への依頼や税務申告ソフトの利用が別途必要です。
- 銀行やクレジットカードとの自動連携には対応していません。 取引の資料を渡して記帳を進める仕組みです。明細の自動取り込みを重視する場合は、この点を踏まえて検討してください。
こんな会社におすすめ
- 会社を設立したばかりで、経理や簿記に自信がない
- 取引数がまだ少なく、2年目以降も無料の範囲で使いたい
- Macやスマホからも経理作業をしたい
- 決算申告は税理士に依頼する予定で、日々の帳簿をきちんと共有したい
フリーウェイ経理Lite|Windowsで「ずっと無料」を重視するなら
フリーウェイ経理Liteは、株式会社フリーウェイジャパンが提供するインストール型の会計ソフトです。無料版を期間の制限なく使い続けられるのが最大の特徴で、公式サイトによると2026年8月末時点でのべ48万以上のユーザーが利用しています。
料金
- 無料版:月額利用料0円、利用期間の制限なし
- 有料版(企業版):月額3,000円(税抜)、年間36,000円(税抜)の1年契約
- 有料版(顧問先版):料金は対応する税理士事務所に問い合わせ
主な特徴
- 期間無制限で無料:トライアル期間の制限やライセンス購入がなく、税制改正への対応も無料版のまま受けられます。
- 帳票が充実:仕訳日記帳、総勘定元帳、試算表、損益三期比較表、消費税試算表、貸借対照表・損益計算書などの決算書、株主資本等変動計算書、個別注記表などを出力できます。
- キーボード中心で素早く入力:仕訳形式・出納帳形式での入力に対応。簿記に慣れている人には扱いやすい画面です。
- 他社ソフトからの乗り換え:CSVを所定の形式に整えることでマスタや仕訳データを移行でき、一部メーカーの勘定科目体系にも変更できます。
- インボイス制度にも追加費用なしで対応しています。
注意点
- Windows(11/10)専用で、Macには非対応。スマホアプリもありません。
- インストール型ですが、利用時はインターネット接続が必要です。
- 無料版はデータの保存先がパソコン内で、クラウド保存・同期は有料版の機能です。
- 無料版は銀行口座・カード明細からの自動仕訳、電話・メールでの操作サポートに対応していません。
- レシート・領収書の読み取り(OCR)機能や、固定資産台帳の作成機能はありません。
- 仕訳は自分で入力するため、ある程度の簿記知識があると安心です(公式サイトに学習コンテンツも用意されています)。
こんな会社におすすめ
- WindowsのPCで経理をする
- 簿記の知識があり、自分で仕訳を入力できる
- 期間を気にせず、とにかくコストをかけずに使い続けたい
円簿会計|弥生会計からの移行や、複数端末での利用を考えるなら
円簿会計は、「クラウド円簿」が提供するクラウド型の会計ソフトです。ブラウザで動くため、WindowsでもMacでも、タブレットやスマホからでも操作できます。
料金
- 一般(無料トライアル):新規登録から12ヵ月間無料
- 無料期間の終了後は、機能の表示・閲覧とCSVデータの書き出しのみ可能(登録データはシステム上に保持)
- 継続して入力するには有料プラン「円簿PRO」への登録が必要
- ベーシック:年額9,500円(税抜)/2社・各社2ユーザー
- スタンダード:年額19,000円(税抜)/3社・各社10ユーザー
- プレミアム:年額98,000円(税抜)/10社・各社50ユーザー
主な特徴
- 入力方法が多彩:複合仕訳入力、元帳形式入力、通帳形式入力に加え、OCR入力や経費・旅費精算機能も無料トライアルで利用できます。
- 弥生会計からデータを取り込める:弥生会計から出力したデータを読み込み、これまでの帳簿を引き継げます。
- 法人の決算報告書を作成可能:無料トライアルでも決算報告書(法人)の作成に対応しています。
- インボイス制度・電子帳簿保存法にも対応:取引先管理やファイル管理機能があります。
- データは国内2ヵ所で保管:自動バックアップにより、日本国内の2つのデータセンターで保管されています。
注意点
- 無料で使えるのは12ヵ月間です。2年目以降も記帳を続けるには有料プランへの移行が必要です。
- 無料トライアルは1社・1ユーザーまで。消費税集計表、消費税申告書、部門設定などは有料プランの機能です。
- AI-OCRの利用は無料トライアルで10枚まで、ストレージは100MBまでです。
こんな会社におすすめ
- 弥生会計を使っていて、データを引き継ぎたい
- まずは1年間無料で試し、その後は低価格の有料プランで続けたい
- 将来的に複数の会社を一つのアカウントで管理したい
2年目以降にかかる費用の目安
無料会計ソフト選びで見落としがちなのが、2年目以降のコストです。各社公式サイトの料金表をもとに整理すると、次のようになります。
ソフト | 1年目 | 2年目以降 |
|---|---|---|
KOZOTAI | 0円 | 年間1,000仕訳以内なら0円。超える場合は月額4,840円+AIアクセスユーザー月額2,200円/名 |
フリーウェイ経理Lite | 0円 | 無料版なら0円。有料版(企業版)は年間36,000円(税抜) |
円簿会計 | 0円 | 記帳を続けるには円簿PRO(ベーシック年額9,500円・税抜〜) |
※税込・税抜の表記は各社公式サイトの表記に準じています。
「取引量が少ないうちは無料、事業が成長して取引が増えたら有料」というKOZOTAIの料金体系は、売上や取引数に合わせてコストが増える形です。一方、フリーウェイ経理Liteは取引量にかかわらず無料版を使い続けられ、円簿会計は1年経過後に年額制の有料プランへ移る形になります。
目的別|あなたの会社に合う無料会計ソフトは?
経理が初めてで、入力の手間をできるだけ減らしたい → KOZOTAI 請求書や領収書を渡すとAIが仕訳案をつくるため、白紙から仕訳を考える必要がありません。取引が少ないうちは2年目以降も無料で使えます。
Windowsで、自分で仕訳を入力できる → フリーウェイ経理Lite 期間の制限なく無料で使え、帳票も充実しています。簿記に慣れている方なら、コストをかけずに運用できます。
弥生会計から乗り換えたい/複数社の管理も視野に入れたい → 円簿会計 弥生会計のデータを取り込めるほか、有料プランでは1アカウントで複数社を管理できます。
Macやスマホで経理をしたい → KOZOTAI または 円簿会計 どちらもクラウド型で、OSを問わず利用できます。KOZOTAIはiOS・Android向けのアプリも提供しています。
まとめ|「無料の条件」と「決算までの流れ」で選ぼう
無料で使える法人向け会計ソフトを選ぶときは、料金が0円かどうかだけでなく、次の点を確認することが大切です。
- 無料で使える期間・条件(2年目以降はどうなるか)
- 自社のPCやスマホで使えるか
- 仕訳入力をどこまでサポートしてくれるか
- 決算書の作成まで対応しているか、申告はどうするか
会社を設立したばかりで、「経理は初めて。でも最初の決算まで帳簿をきちんと整えたい」という方は、ぜひKOZOTAIをお試しください。初年度は無料、2年目以降も年間1,000仕訳以内なら無料で、クレジットカードの登録も必要ありません。
参考(各社公式サイト)
- KOZOTAI:https://kozotai.com/
- フリーウェイ経理Lite:https://freeway-keiri.com/
- 円簿会計:https://www.yenbo.jp/service-info/kaikei.html
- 円簿PRO 料金プラン:https://www.yenbo.jp/yenbo_pro